私のおすすめ

サライ 07/17日号

サライ 07/17日号 (07月03日発売)

【特集】往時の風情を求めて 軽便鉄道、石北本線、上越線、東海道本線… 古地図で楽しむ鉄道旅

歴史の好きな人にはいろいろなタイプがあるだろうが、「偉人が立ったこの地に、今、自分が立つことで足跡を重ねている」もしくは「当時に、もし自分がいたら」とばかりに、当時と現在との時空を飛び越えるロマンに惹かれる人も多いかと思う。僕もその一人だ。そして、その空想の世界に飛び込む重要なツールの一つが古地図ではないだろうか。古地図は、時空を飛び越えるイマジネーションを力強く手助けしてくれる。さて、今号のサライ。鉄道の古地図が満載だ。鉄道関係である以上、遠く鎌倉・室町時代・・・と言うものではないが、しかし、古くは江戸時代から昭和40年代の路線図や時刻表まで掲載されている。これだけでも、当時の鉄道の旅に出かけられるのに、古い写真も満載。そこからは、今にも駅弁売りの声や力強い車輪を動かす機械の音が聞こえてきそうで、鉄道ファンにはたまらない特集ではないだろうか。個人的に最も興味を引いたのは大正14年の鉄道地図。地形がデフォルメされ、北海道は三角形になっている。ほかにも、地図の変化が、鉄道の発達をビジュアルに伝えている部分や、軽便鉄道などの貴重な写真など興味は尽きない。まもなく始まる「夏休み」の前に、一足先にタイムスリップの旅に出てはいかがだろう。

ニューズウィーク日本版 07/02日号

ニューズウィーク日本版 07/02日号(06月25日発売)

尖閣諸島で台湾が「反日化」の裏側〈東アジア〉沈没事故が浮き彫りにしたのは世論の変化ではなく、馬総統の外交手腕への不安

尖閣諸島で、日本と台湾との間で緊張が高まったのは、あまり日本では報道されなかった。事の発端は今月10日のこと。我が国の領海を侵犯した台湾の船と、その船を静止しようとした海上保安庁の巡視船が衝突し、台湾の船が沈没したのだが、この尖閣諸島は、台湾も領有を主張していることから、台湾国内で日本を非難する報道が巻き起こった。台湾の行政院長は「日本との開戦の可能性を排除しない」とまで発言した。日本は不慮の事態に備えて、海上保安庁は現場での警戒態勢を強める体制をとった。このあたりは、詳細は公表されていない。しかし、僕の聞く限りでは、海上保安庁は万全の体制を取ったと言えよう。一方、台湾は、許駐在代表を召還しようとし、許代表は、日本にいながらにして職を辞した。国民党の馬総統の危機管理能力はどうなのだと固唾を呑んで見守ったが、結局はその後、緊張関係は静まりを見せつつあるように見える。その理由は、僕の知人が「今回の事件の裏にいるのは中南海だ」と指摘した通りなのかと思っていたが、なんと、それ以上に深い理由があったようだ。その理由とは・・・!是非、御一読を。今後の世界を見るのには「宗教」を抜きには語れないと思ってはいるが、折角のその特集以上に、この記事は、台湾情勢を明確に物語っていて面白い。なお、個人的には、シアターの記事で、先ごろ発表されたトニー賞で作品賞に輝いた「イン・ザ・ハイツ」や「パッシング」の事も書かれて興味深い。今号のニューズウィークは読むところが多いのだ。

SAPIO 06/25日号

SAPIO 06/25日号(06月11日発売)

【SIMULATION REPORT】穀物メジャーの暗躍からフードロンダリングまで、「日本人のメシ」が危ない 世界「食」戦争〈最前線報告〉

今後の国家間の紛争などの原因は、「国境・宗教・食糧・エネルギー」と、僕は常に指摘してきた。この4つの要因のうち、日本は、宗教以外、すべて紛争のタネと言える。日本の最大の弱点は、エネルギーや資源であり食糧を他国に依存している事である。食糧の自給率の低さは、最近あちこちで指摘されるが、実は、30%台の自給率は数字の魔術であることはあまり指摘されていない。農作物輸入が完全にストップした場合に想定される献立例が農水省により数年前に発表されたが、それはかなり貧しいものだったように記憶する。御飯はお代わり出来ず、そのうえ三食ともご飯は無理。おかずは魚一切れが1日1回のみ。この他に、味噌汁が2日に1食、卵が1週間に1個、肉にいたっては10日に1食だったか。だがこれでも甘いと僕は思わずにはいられない。食糧を作るのにも運ぶのにも、大量のエネルギーを必要としているからだ。このエネルギーが高騰してしまえば、輸入ばかりか、輸送もできない。魚も取れなければ、農業で温度調節も日照調節も出来なくなる。そうすると
・・・自給率は、想像を絶する状態にすぐに落ち込むと懸念せざるを得ない。そして、食糧危機は夢物語ではない。すでに穀物相場の高騰などで、世界中で食糧不足が現実化し、暴動が起き死者が出ているのだ。なぜ、急に食糧不足が現実のものになったのか。そこに潜む様々な理由。これを多角的に捉えようとしたのが、今号のSAPIOだ。暗躍する仕掛人や国家間の策略。昨今の環境問題や隠れ値上げを指摘する。食糧問題は複雑なので、今号だけで全てが明らかにされたとは思えない。中には、にわかには信じられない内容もあるが、食糧危機が日本にも忍び寄っている現実は伺えるのではないだろうか。そういった意味で貴重な特集と言える。

日経ビジネス 05/26日号

日経ビジネス 05/26日号(05月26日発売)

・〈深層〉信越化学、コマツ…新興国需要・ドル安で輸出拠点に 米国が世界の工場になる日

今更の話ですが、先日まで宮本輝さんの「にぎやかな天地」を読みふけっていました。面白い本で、会う人会う人に薦めてしまいました。「え、何を今更?」・・・。はい。そう思われると思って、最初にお断りを申しました。遅くてすみません。さて、この本ですが、どんなに科学が発達しようとも「時間」が与える影響の大きさを変えることは出来ない事を、発酵食品を象徴的な例にとりながら訴えた作品。発酵して作る食品の神秘や、その食品を作り出した先人の知恵に頭が下がる思いで読んだのですが、この日本が、いかに発酵食品を大切に進化させてきたかが、この本を読むと容易に想像できるのです。ところで、この発酵食品!日本人がすぐに思い浮かべるのは、日本酒と豆腐かと思うのですけれど、カナダで飲まれる日本酒「松竹梅」や、ヨーロッパで食べられる豆腐。これ、どこで作られているか御存知ですか?「日本だろ」・・・いえいえ、これが、なんとアメリカなのです。「アメリカは市場として注目されていたが、生産拠点としての魅力にあふれている」と記事の中で指摘されているように、現在、日本の企業はもとより、数多くの企業・団体がアメリカに生産拠点を置き、輸出を進めています。輸送体制の便利さや、また原料の入手が容易なこと、加えて、今、元気なブラジルなどに近いことに、ドル安などが主な原因だとか。ついつい、円ドルでしか為替相場を見ないものですが、今や国際通貨でのドルの凋落は激しいし、原油高ともリンクをしています。世界を見るのにドルだけを見ていてはいけないという事を改めて気づかせてくれる良い記事だと思います。是非御一読をお奨めします。

週刊東洋経済 05/17日特大号

週刊東洋経済 05/17日特大号(05月12日発売)

【COVER STORY】子ども格差 このままでは日本の未来が危ない!!

「限りない未来を持つ子供達のために」―これは、僕が少しの間、お世話になっていた映画会社で使われていた言葉である。数々の児童映画を世に送り出した会社であったが、僕自身は思うところがあり、教員を目指す契機となった日々だった。生活費や学費などのために、嘱託社員をしながらの大学生活は、正直大変ではあったが、当時の国立大学の学費が半期で10万円程度であったため、何とか通えたように思う。国立大学が今の学費だったら・・・もしくは、私学だったら払えたかどうか。
そんな僕にとって、今週号の「東洋経済」の特集は、ひときわ、目を引くものだった。教育は、国家の根幹を成す分野であることは、おそらく誰も否定しないであろう。だが、日本では、満足に行えているのだろうか。昨今の「モンスターペアレンツ」の出現に右往左往する学校。教育費や学費を払えるのに滞納する家庭が続出する一方で、他にも、貧困や低学歴などの様々な問題が現れている事をこの特集は白日の下にさらしている。
中でも、貧困率を真っ先にこの特集は取り上げている。この貧困率というのは、相対的なもので、その国の中の経済格差であるために、国が違えば、当然「貧困」のレベルは違う。だが、教育を受ける明らかな格差が存在し、その格差に連鎖性が存在し、広がっている事には危機感を感じずにはいられない。日本は特に、「片親の貧困率」が群を抜いて高く、一般的に母子家庭や父子家庭が子供を育てる大変さを、数値で明確に示すとともに、それは、虐待につながったり、低学歴につながったりとしている一面がある事を特集は示す。もちろん、立派に育てられている家庭も多いのを忘れてはならないが。
日本が、この相対的貧困率で、ワースト2位だとしたOECDの資料を見たことがある。その影には、高齢者や片親世帯の低賃金労働が理由と見られている。日本は、「最も成功した社会主義国と形容されたが、実は貧困の存在に気がつかなかっただけだ」と特集は指摘するが、それらが、教育の現場から、徐々に姿を現してきたと言えないだろうか。とすると、今の教育現場の状況は、明日の日本の社会でもあると言える。
アメリカで、新米教師に昔は配布されていたハンドブックには、こうあったという。「この教室には、未来の医者、月探検者、画家、作家、実業界の大物に、アメリカ社会が必要とする指導者たちがいる。一人一人が等しく、この国の将来にとって非常に大切な一人なのだ・・・」
是非、日本政府も、そういった姿勢で教育に取り組んで欲しいと思う。
小児科や産婦人科が減少するような政策。教育費の高騰を招くような政策。親の所得で子供の教育に差が出る政策は誤りであるんだと、今回の特集を読んで強く感じた。是非御一読を。


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