私のおすすめ

週刊文春 07/20日号

週刊文春 07/20日号(07月12日発売)

[新聞・TVが報じない]「テポドン事変」全情報

8年前のテポドン発射の時には、当時、まだ六本木にあった防衛庁の中にいた。その時の、日本政府/各省庁の対応をつぶさに見ていたが、その時と今回とでは、隔世の感すらある。この文春の記事の言葉を借りれば、「日本政府は国家としての構えを迅速に作り上げていたのである」なのだ。今回の文春の記事は、事実と違う部分もあるが、全体的に良く取材してあると言えよう。とくに、個人的に納得するのは、北朝鮮の内部での情報だ。あくまで表向きに発表される際の「動き」が伝わってきているのだろうが、僕が聞いた北朝鮮の内部の情報とも一致するものもあり、全般的に、次々とページをめくりながら、思わず、「へー」とか「そうそう」なんてつぶやきながら読んでしまった。もちろん、ライターが、自分の想像だけで分析を書いてある部分も見受けられるのだが、これだけ細かく書いてあると、ついつい、「はて、この情報まで、明らかにされているが、本当か? だとしたら、こういう情報管理で良いのか?」と思わせられる部分も出てくる。もっとも、それが、今後の日本の課題と思えば、逆にこの記事が良い刺激になっているともいえるわけで、今回の特集。真実かどうかにとどまらず、色々な意味で、非常に興味深い記事だと思う。

サライ 04/20日号

サライ 04/20日号(04月06日発売)

【特集】クラシック音楽「基本の(き)」

「モーツアルトの音楽を聞いた後の数時間は、脳の働きが活発になる」と話してくれたのは、脳神経医学の医師であり、かつピアニストの上杉春雄先生だった。そのモーツアルトの名前を、今年は至る所で目にしている事と思う。そう、生誕250周年だから…。本当は、今年は「ショスタコーヴィチ生誕100周年」だし、日本の代表的作曲家「武満徹の没後10周年」でもあるのだけれど、それらは、すっかりとモーツアルトの陰に隠れてしまっている。それだけモーツアルトが偉大すぎるのだろう。彼の音楽は、まさに「人類の宝物」と言って良いのかもしれないのだが…。でもね、あなたは本当にモーツアルトの音楽を、じっくり聴いた事がありますか? 今、クラシック界は、漫画「のだめカンタービレ」や、昨年爆発的に売れた「ベストクラシック100」の勢いをかり、少しでも敷居を低くし、100万人と言われるクラシックファン層を広げようとしているのだ。そこで、この「サライ」。この特集は、初心者が読んでも良く判るように書かれ、基本的知識から楽しみ方まで内容も幅広いながらもよくまとまっている。詳しい人が読んでも、この内容は思わず納得だろう。それくらい「これだけ知っていれば充分」という特集になっている。世界的なモーツアルトブームの今年こそ、これを読んで食わず嫌いだった人類の宝に是非触れてみてはいかがですか。

SAPIO 04/12日号

SAPIO 04/12日号(03月22日発売)

売春島から労働改造所までこんなにある無法地帯!これで北京五輪などできるわけがない 世界を揺るがす中国「犯罪黒書」

最近、中国の特集をする雑誌や本が増えた気がしてならない。10年以上も前から中国を気にしてきた身としては嬉しい限りなのだが、最近は、嬉しさの反面で不安も覚える。というのも、世論としては、中国の「反日感情」に対し、感情的に中国を攻撃しているのではないかと感じる事があるからだ。反日デモが日本のナショナリズムに火をつけたとよく言われるが、まさに、今の「中国に対する反応」は、一時期の「北朝鮮に対する反応」と重なる要素が多い気がする。もっとも、大事な情報は隠してしまうお国柄であるため、等身大の中国と言うのはつかみづらい事は確かだ。良く知らなければ、感情論が先走ってしまうだろうし、感情先行の場合は、冷静な議論は出来なくなる。相手を知る事は何にも増して大事であり、そのためには、中国が隠したい部分を知る事は大事な事だと思う。その上で賞賛したり非難すべきなのではないかと思うのだがどうだろう。今回のSAPIOの特集は、中国の犯罪に焦点を当てた。人権抑圧・売春・公害・ニセモノ製造・思想統制など中国の暗い一面を白日の下にさらしている。まだまだ地方の腐敗や、海外逃亡・横領など出ていないものも多いが、ある意味、等身大の中国を理解するには重要な特集と言えるのではないだろうか。

SAPIO 03/22日号

SAPIO 03/22日号(03月08日発売)

【SIMULATION REPORT】「上海総領事館電信官自殺事件」は氷山の一角!日本のインテリジェンスは筒抜けだ 狙われる!「情報亡国ニッポン」

戦争は目に見えない形の方が怖い。一般に知れ渡らないうちに叩きのめされるからだ。何も銃を撃ち合う事だけが戦争ではない。外交は勿論、経済においても、そして、情報においても、脇が甘い国家は狙われる。情報の世界で良く言われるのは「なぜ兎は大きな耳を持つのか」という事だが、身を守るために弱い動物は何かしらの防御システムを持っている。これは国家にも同じ事が言える。防衛庁の情報本部の能力は、アメリカも一目置くと言われているが、それも日本の置かれている立場が磨きをかけたからだ。だが・・・一般に情報に関する意識は高いといえるのだろうか。この特集は「No」である事をイヤと言うほど教えてくれる。特集の中で、「中国の諜報技術はCIAと能力に遜色はない」と元工作員は吐露している。そして、この中国の技術が、日本の民間企業から流れているものを基にしたものが多い事も指摘される。いや、情報戦の相手は中国だけではない。エシュロンプロジェクトではニュージーランドが日本を担当していた事も明らかにされている。おそらくこれらの事実を、当時の外務省は把握していなかっただろうし、日本のお粗末な体制では対応がしきれなかったのだろう。ようやく日本でも危機感を持った声が上がりだしているが、記事の中の「戦後、日本は諜報の世界から一度リタイアした」というフランスの対外諜報機関の元長官の言葉が重い。

クーリエ・ジャポン 03/02日号

クーリエ・ジャポン 03/02日号(02月16日発売)

検閲を受け入れ、ついに中国へ進出 超巨大化するIT企業グーグルの「危険な賭け」

梅田望夫さんは、かなり早くからグーグルの可能性について高い評価を与え、これを世の中に訴えていた人だ。この梅田さんの「ウェブ進化論」は、これまでのメジャーメディアが、いかに「知の世界の秩序」の再編に巻き込まれていくかを平易な文章で解説した本であり、今、ネット世界で何が起きているかを、グーグルを中心に置きながら説明している。確かにグーグルが、今、ネットの世界で次々姿を表しているビジネスモデルに与えた影響は計り知れないものがあるのだが、その反面、指摘されている危険性に警鐘を鳴らしたのが、この記事。グーグルは、著作権侵害やプライバシー侵害などの危険性が指摘されているが、この記事にあるように、中国への進出もその一つなのだ。記事は、グーグルが中国の検閲に協力するニュースが1月に出ても業界は驚かなかったのは、すでに2004年からニュース配信で検閲に協力をしていたからだと指摘する。中国は「世界で最も優れたインターネット監視システム」があると聞いた事があるが、それらは、このグーグル等の助けがあってこそであり、言い換えるなら人権弾圧国家の共犯者になっている事を示すわけだ。このリスクを承知で危険な賭けに出た理由や将来の予測まで踏み込んでいないために、この記事に不満もあるが、グーグルの現状と危険性を短時間で把握できるだろう。


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