私のおすすめ

芸術新潮 2008/06月号

芸術新潮 2008/06月号(05月24日発売)

・絵画への挑戦 山口伊太郎の織道楽

 世に「着道楽」や「履(はき)道楽」というのは聞いたことがあるけれど、「織道楽」があるというのは、知らなかったなあ。
 京都、西陣の織屋、山口伊太郎(1901〜2007)が37年をかけて仕上げた織道楽の結晶が紹介されている。
 それは国宝の「源氏物語絵巻」を再現しようという試みである。それも絵によってではなく、織物によって。西陣は紋織という伝統技術を持っている。この紋織によって、「源氏物語絵巻」が描けないだろうかと、山口伊太郎は考えた。考えただけでも立派なのに、それを実際に完成させてしまった。月並な表現ではあるけれど、これはもう快挙の一語に尽きる。
 しかも繊細優美な絵巻を描くために、伝統手法だけでなく、「二重織」という奇跡的な織り方さえ創造することになったのである。人が「絶対にヤルンダ!」と思った時、思わぬ創造力が生まれることを、私たちに教えてくれる。

サライ 06/05日号

サライ 06/05日号(05月15日発売)

・男の簡単料理 ソースの達人 オルトラーナ・ソース

 「男の簡単料理」という題が良いのか、悪いのか。男はどこかバカなところのある生き物で、料理でもやっているうちに必要以上にのめりこんでしまったりする。簡単のはずが簡単でなくなってしまう。私なんかもその口である。でもね、料理にしてもまずははじめないことには話にならない。さよう、私は今料理をはじめたばかりの男なのだ。
 なになに「オルトラーナ・ソース」だって。よおし、やってみようじゃないか。まあ「簡単料理」とあるから、その気にもなるわけだけれど。「オルトラーナ・ソース」は野菜を刻んで炒めるだけの話だから、たしかに簡単である。しかも色も美しく、食べて美味しい。しかもすべて野菜であるから健康によろしい。さらには本来「ソース」なのだから、ありとあらゆる応用が効く。「マグロのタルタル」を作るも良し。「ペンネ・オルトラーナ」にするも良し。でもね、私ならこんなこともやってみたい・・・。と、頭を使うのもまた料理だからこそ。

Pen 06/01日号

Pen 06/01日号(05月15日発売)

エディターズ・コラム(25)

 今、巷で流行っているのは「エスプレッソ・コーヒー」である。ちょっとしたレストランに行くと食後にごく自然にエスプレッソが出てくるのが、まあ常識のようになっている。もちろん私だってエスプレッソは飲むし、なにごとにも時の流れというものはあるだろう。でも、エスプレッソは世に数多いコーヒーの飲み方の、ひとつである。「イタリア式コーヒー」と言って良い。
 これに対して「日本式コーヒー」があるのを忘れないで欲しい。かつて日本人が飲むのは当たり前のように「日本式コーヒー」だった。それが今、世間の片隅に追いやられているようで、哀しい。それはともかくこの「日本式コーヒー」の縁の下の力持ちが、「フジローヤル」ではないかと思う。これは日本製の、優れた電動コーヒー挽きなのだ。たしかに日本式コーヒーの淹れ方は難しいのだろうが、しかし淹れる寸前に丁寧に豆を挽くのも、大切。そのための専門マシーンが「フジローヤル」なのだ。もっと世界に誇って良い日本の名品であろう。

BE-PAL 2008/06月号

BE-PAL 2008/06月号(05月10日発売)

(鉄)企画 消えゆく“動く宿”全路線を網羅 今なら間に合う 「夜行列車の旅」丸ごとガイド

 「夜行列車」には懐かしい響きがこもっている。いや懐かしいといえば「夜汽車」(よぎしゃ)のほうがもっとそうであるかも知れない。
 ブルー・トレイン、いや、「夜汽車」の最盛期は1970年代なんだそうで、それからは減少の傾向となった。今は定期運行は14種なんだそうな。ただし臨時運行があって、16種。その両者を合わせても、ピーク時の約80種にはとても及ばない。夜汽車を体験するなら、今がチャンスかも知れない。
 たとえば、「能登」。これは23時33分に上野駅を出て、富山には早朝の5時41分に着く。「能登」の6号車にはラウンジ車両が連結されていて、ここでウイスキーを傾けることだってできる。いわばバー「能登」。ここならいつまで飲んでても終電に乗り遅れることはないぞ。富山で新鮮な魚をタンノウしてから、金沢で名所を歩く。そして夜汽車の「北陸」で上野へと向う。「北陸」にはシャワー室があって、さっぱりとした気持で、東京に帰れるというわけだ。

クーリエ・ジャポン 2008/06月号

クーリエ・ジャポン 2008/06月号(05月10日発売)

・新「プラザ・ホテル」が提供する“究極のサービス”

 「ロイヤル・ホールド」という名前の、靴下の畳み方があるのを知っているか。もちろん私は知らなかった。この記事を読んで、はじめて教えられた。それは一度完全に裏返しにして、そこからつま先部分を半分に折り返すようにする。これがもっとも美しい靴下の畳み方であるという。
 新「プラザ・ホテル」の執事は、客の靴下を畳む場合、必ずロイヤル・ホールドにするよう教えられているのである。靴下に畳み方がある以上、下着にも畳み方があるのだろうか。「プラザ・ホテル」に泊るにはキチンとした下着や靴下で行かなくては、という気持にさせられてしまう。
 とにかくモーニング・コールは、執事が直接やって来て、コーヒーを淹れ、風呂の湯加減まで調整してくれるのだ。一泊、最低でも約7万円からというのだけれど、せめて一回くらいは「プラザ・ホテル」に泊って、究極のサービスを体験したいものではないか。


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